【流されゆく日日05】excite

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『博士の愛した数式』‥遅まきながら、編。

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夜遅く中央線。あらま! 運のいいことに座ることができた。昼間は散々だったけど、最後の最後の帰り際はツイていたわけか。本でも読もうと、『博士の愛した数式』(新潮文庫・小川洋子)を読み始めた。

★ 混雑の中央線車内で座って本を読めるなんて久しぶり‥‥と思っていたら、何となく上から見られているような気がして、ふと見上げると、あらま! メガネをかけた小学生が。いま何時だ? もう11時に近いぞ。塾かなんかの帰りかあ。

 (本文から)ランドセルを背負ったままの息子(ルート、10歳)が玄関に姿を現わした時、博士は笑顔を浮かべ、両腕を一杯に広げて彼を抱擁した。その両腕には、目の前にいるか弱きものをかばおうとする、いたわりがあふれていた。自分の息子がこんなふうに誰かに抱擁されているのを目の当たりにできるのは、幸せなことだった(後略)。
 (前略)博士はいつどんな場合にも、ルートを守ろうとした。どんなに自分が困難な立場にあろうと、ルートは常にずっと多くの助けを必要としているのであり、自分にはそれを与える義務があると考えていた(後略)。

★ そうなのだ、いたいけな子供たちは「常に多くの助けを必要としている」のだ。よし! 塾帰りの少年に座ってもらおう。
「ボク、座るかい? オジサン、もう降りるから」「あ、ありがとうございます」とペコンと座った少年、疲れていたんだね。少しは、「博士」になれたかな。
極めて遅まきながら読んだ『博士の愛した数式』、もっと早く単行本の時に読めばよかった、と思った。

写真は、本文と何の関係もありません‥‥ただ、朝焼けがきれいだったから。
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by suginami458 | 2005-12-15 18:32 | 小説・エンターテインメント