2005年 12月 29日
「サンカ」ブームなのだ①、編。05年下半期だけで、4冊もの「サンカ/いわゆる被差別」本が刊行された=写真は一部。それも、新書、文庫だから隠れたブームなのだ。 ★ 「サンカ」は幻の漂泊民…なんていわれるけれど、実際はロマンはなかった気がする。ブームの火付け役は『幻の漂白民 サンカ』(沖浦和光/文春文庫)。最近出た本はいずれもこの沖浦本か、三角寛全集を参考にしている。僕の疑問は、サンカの源流は何なのか? ★ サンカは中世ごろ裏日本を中心に出現したといわれている。つまり、出雲の国・島根県だ。箕笠(ミノカサ)などを造り、川沿いに流浪し(その住居を写真で見たが、掘っ立て小屋だった。いつでも移動できるようにしていたのだろう)、ウナギ・川魚など捕る能力に長けていた、季節ごとに渡り歩く技能者集団という。初めて「山家(サンカ)」という表記で出てくるのが島根県の役所文書、と沖浦氏が確認した。 ★ 沖浦説は「中世の大飢饉で、山に入らざるを得なかった貧民層が源流では?」という。また、島根県が基点になっていることに注目した「日本古来民族」説もある。この説は昭和の初めごろ盛んに言われたらしい。 ★ 三角寛にも会って取材を重ねた先輩新聞記者の人と話したら、「元東京都知事の美濃部(ミノベ)さん、あの人はサンカの末裔だ。サンカは講(こう=相互扶助共済組合)をつくりあげ、彼を育てたのだ」と言っていた。その人は、島根県出身だった。
by suginami458
| 2005-12-29 19:13
| 小説・エンターテインメント
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