【流されゆく日日05】excite

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2005年 06月 29日 ( 1 )

藤原文学の到達点。輝く『シリウスの道』、の巻。

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藤原伊織さん=写真=の最新長編『シリウスの道』(文芸春秋刊)が書店で輝いている。新聞の書評も好評だ。

国内最大手広告会社(つまりdentsuでしょ)の営業局副部長が主人公(今回は、全共闘世代ではないみたい)。敏腕美麗な女性部長・立花と、与党代議士を父に持つ二世クン、元証券会社勤務の派遣社員・平野らを部下に、18億円という巨大広告プロジェクト争奪に挑む。

相変わらずセリフ回しが効いている。
…立花(女性部長)がかすかに笑った。「それなら私も控えめにいうけれど、最近、この歳になってようやく悟ったことがあるの」
「なんですか」
「人間関係はいつか必ず腐っていく。そのこと」
「腐っていく?」
「そう。腐っていくの。他人との関係なんて所詮、なま物だもの」
…効いてるなぁ、ハードボイルドな女性部長だなぁ。

だけど、広告業界特有の用語が難しい。
…平野が尋ねてきた。「広告統計とか出稿調査って何ですか」
「広告統計は出稿実績。…出稿調査は、まだ露出していない媒体への申し込み段階のチェックだよ。…」
と、派遣社員の平野が必ず質問しているので、「OK牧場」。

それに、「東邦広告では、大きなプロジェクトが発生した場合、各フロアにあるいくつかの会議室のどれかが一定期間、専用の作業室に転用される。」なんて、dentsuの「内部情報」も満載だし…。いいの?


藤原さんの作品には必ず「絵画」「組織」「やくざ」が出てきて、それぞれがいい味を出しているけれど、僕は「会社の派閥抗争」も隠し味になっていると思う。
でも、それは何故なんだろうと感じているんだけど…。

【面白度=★★★★☆】
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by suginami458 | 2005-06-29 22:39 | 小説・エンターテインメント