【流されゆく日日05】excite

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2005年 11月 27日 ( 1 )

新潮文庫がすごい! 『水曜の朝』で泣くのだ!  編。

美容院の帰り…じゃなかった病院の帰りに、書店をのぞくと、お! 『博士の愛した数式』(小川洋子)、『模倣犯』(宮部みゆき)が文庫になっている!

★ 新潮文庫恒例の「年末年始に読む本」フェア戦闘開始。それにしても、すごいラインアップ。胸張っていいぞ、新潮社。ほかに、『4TEEN』(石田衣良)、『ぬしさまへ』(畠中恵)、『本格小説』(木村美苗)‥‥読みたかったけれど、重い(本の重さ)ので敬遠していたものや、読み落としていた作品がズラリ。その重量級の中で、静かに僕を呼んでいる一冊が‥‥。

★ 『水曜の朝、午前三時』(蓮見圭一)。僕自身、この作品にはたくさんの思い出と、心動かされたことがある。本読みの達人・児玉清サンも泣いた恋愛小説。

★ 45歳の若さで逝った翻訳家・四条直美の回想から始まる。娘婿が遺言テープを聴きながら‥‥

(本文から)
コーヒーを飲みながら、僕は記事を読んだ。葉子が口にした一節に続けて、直美はこう書いていた。
「これでもうお終いだ。もうどうにもならない。私自身、何度そう考えたかしれません。でも、運命というものは私たちが考えているよりもずっと気まぐれなのです。昨日の怒りや哀しみが、明日には何物にも代え難い喜びに変わっているかもしれないし、事実、この人生はそうしたことの繰り返しなのです」
四条直美はそう信じていた。少なくともそう信じようとし、常に自分に言い聞かせていた。(後略)

この「運命」という言葉が、小説全体を貫く基調低音のようなテーマ。もし、あのとき、あの人を選んでいたら‥‥。あの角を曲がっていたら‥‥。

★ ちなみに、蓮見氏は元新潮社社員。
この本を刊行するとき、重役に呼ばれ、「きみ、わが社は文芸出版社なんだから、たくさんの本を出したい社員がいるんだよ。それがみんな本を出してくれといったらどうする」といわれたとか。別名で、ルポも執筆しているが、この『水曜』との落差に読まないほうが良かったような‥‥。

【『水曜の朝、午前三時』面白さ=★★★★☆】もう一度、泣くのだ。
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by suginami458 | 2005-11-27 17:53 | 小説・エンターテインメント