【流されゆく日日05】excite

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カテゴリ:小説・エンターテインメント( 70 )

ハウルたちと暮らそう、編。

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ふと、たばこを吸いに喫煙室の外を眺めると、帝都(古いぞ)・東京の上空を覆う暗雲が…=写真。

★ う~む、不吉な…夏に見た「妖怪大戦争」(角川映画)の一シーンのよう。もしや、ロイヤル祝賀にわく帝都に、平将門の異変でも…ということはなく、約1時間後には透き通った冬の青空に。

★ 「青空」といえば、「ハウルの動く城」! DVD発売じゃん! 予約してたの忘れてた! ジブリ作品お決まりのエンディングは、流れる雲の青空シーン。「ハウル」は公開で見たときはあまりピンとこなかったけど、このごろたまに空を見上げると「もう一度見たいのだ。久石譲の音楽を聴きたいのだ」(突然、椎名誠文体)と思っていた。

★ そうだ。帰りに、DVDを買って週末は「ハウルたちと暮らそう」(ちなみに、テレビCMのナレーションは神木隆之介クン。そう、「待たれよ。わしはイモは嫌いじゃ」の、マルクルの声の)。

【特典付きDVDのオモシロさ=★★★★☆】もう一枚の「ショートショート・ジブリ」を買わそうというのがシツコイ。
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by suginami458 | 2005-11-16 15:38 | 小説・エンターテインメント

「山窩」勉強中①、編。


いま「サンカ」に再び脚光の予感が。

★ 「サンカ」とは何? 漢字を当てると「山窩」。簡単にいうと、この日本列島を自由に流浪した幻の漂泊民。原日本人の末裔では、ともいわれている。
柳田国男は、定住し、農耕生活を主にしていた人々を「常民」(江戸時代は寺の檀家)と呼んだ。しかし、列島には山野をめぐる一所不住の非・定住民もいた。彼らを「サンカ」、海を住処とする漂泊民を「家船(えぶね)」(主に瀬戸内海)と呼んだ。

★ 以前から、『AERA』やマイナー誌ではサンカ特集がたびたび出ていたが、再び注目されるきっかけとなったのは、『幻の漂泊民・サンカ』(沖浦和光・文春文庫)の刊行あたりからか。

★ 重い名著。これにはビックリした。以前読んだ小説(五木寛之『風の王国』『戒厳令の夜』)にもたびたび出ていたが、「漂泊の民? へえ、ロマンだねえ」ぐらいしか思わなかった。読んでみたら面白さノンストップ。売れ行きも好調そうで、出版から一年以上たつのに、現在も書店に平積みされている。

★ で、もっと具体的に「サンカ」実像に迫ると…奥が深すぎ、被差別問題も絡み、簡単には無理。
いずれにしても、「1960年代までには彼らは姿を消したらしい」ということだけで、ロマンもなく、実体は哀しく苦しさに満ちた集団だったようだ。もっと、勉強しなくては…だから続く。
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by suginami458 | 2005-11-14 08:19 | 小説・エンターテインメント

「ALWAYS」! 一の酉! 編。

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★ 新宿・花園神社で「一の酉」をやっていた=写真。もう年末が近いんだなあ。熊手が飛ぶように売れていた‥‥はウソ。あまり売れていなかったみたい。ミニ版の1000円熊手のほうが好調な様子。でも、時々「いよー、シャンシャンシャン」なんて締めの声も聞こえたから、それなりなんでしょう。21日は「二の酉」。

★ ‥‥の冷やかしの後、映画「ALWAYS/三丁目の夕日」へ。昭和30年代の、ある街の人々を描いた作品。簡単に言えば、みんな涙ぐんでいました。そして鼻をすすっていました‥‥オジサン、オバサンたちが。グッドオールデイズ。

★ 大きくなったな、満男=純(吉岡秀隆)。おお、小料理屋の小雪ねえさんが光っている。本当に綺麗だなあ。意外に好演だったのが「古川淳之介」役の須賀健太クン。この少年は映画「zoo」でも面白い役をこなしていたけど、泣いたら日本一かも。がんばれ須賀健太。神木隆之介に負けるな。
吉岡「淳之介~」、須賀「お、おじちゃん!‥‥」この再会シーンで涙腺全開。

★ この作品のもうひとつの主役は、ビジュアル効果(VFX)。すごいなあ、CG。建設中の東京タワー、銀座の街並み、都電、街頭、上野駅‥‥(生まれてないから見てはいないけど)。違和感なく、実に滑らかに再現している(たぶん)。
セットの時代考証も完璧なんだろうけど、ひとつだけ「あれ?」は、少年が持っていた『月刊冒険少年』。映画では本の背が丸く折れていたけど、当時は「平綴じ」(背をホチキスで綴じる製本)のはず。あの本は「無線綴じ」(背を接着剤処理する綴じ方)という製本で、昭和50年代前半に登場したもの。

【花園神社一の酉オモシロ度=★★★☆☆】
【映画『ALWAYS/三丁目の夕日』オモシロ度=★★★☆☆】
同じかよ!
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by suginami458 | 2005-11-09 17:46 | 小説・エンターテインメント

『夜市』は快挙! 編

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もう冬だけど、薄ら寒くなる一冊『夜市(よいち)』(恒川光太郎、1260円)が面白い=写真(C)角川書店。
角川書店の第12回日本ホラー小説大賞受賞作。表紙カバーのデザインもいいぞ。

★ 帯コピーは「注目の大型新人誕生! 選考委員も大絶賛の傑作」。いまどきこんな帯でいいの? って感じ。あの林真理子サンも「文句なしの大賞」とか。
ストーリーは、なんでも売っている化け物たちの市場「夜市」に幼いころ紛れ込んでしまった裕司は、脱出するために弟を売り飛ばし、「野球がうまくなる才能」を手に入れたが…。

★ 人攫い、抜き身の刀を手にした老紳士、永久放浪者、狸、一つ目ゴリラ、カウボーイ…登場人物たちもタダモノではない。異形の住人ばかり。でも、なんとなく姿が浮かんでくる…嘘を現実のように書き込むうまさ! ホラー&ファンタジーなのだ。

★ 荒俣宏さんによると、南方熊楠民俗学の「黙市」にまつわる話だそうだけど、あっちの世界(行ったことないけど)を見事に描き、とんでもない結末が待っている…衝撃の哀しいラスト。少し涙ぐむ展開なのだ。怖くて泣けるお買い得な作品。

★ 恒川氏は34歳。現在は沖縄在住。好きな作家はスティーブン・キング。なるほどね。

【オモシロ度=★★★☆☆】
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by suginami458 | 2005-11-07 23:22 | 小説・エンターテインメント

金髪大木凡人! 編。

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病院の見舞いの帰りに三多摩を歩いて見た。ビックリ! 街が小綺麗になり、日本の正しい小市民的重松清小説的な郊外に変貌していた。

★ まずは「高幡不動尊」界隈(日野市)。昭和の頃と比べると、本堂は一層ゴージャスになっていた。交通祈願・家内安全はそんなにご利益十分なのか。境内の紅葉は「25%」ぐらい。ここは建物の赤がきついので、オレンジや黄色が欲しい(無理か)。中旬以降が見ごろか。

★ ‥‥と参道を歩いていたら、テレビクルーを従えた、大きな声の男が。どっかで見たことがあると思ったら、凡ちゃん(大木凡人)じゃないの。おまけに、金髪じゃん。凡ちゃんが色付いてどうする。「いやあ、この辺も変わりました。私がいたころは‥‥」って、凡ちゃん、このあたりにいたのか。リポートしながら、速足だったので、カメラも追いかけるのに大変そうだぞ=写真。

★ 京王線高幡不動駅から歩いて5分の「多摩都市モノレール高幡不動駅」からモノレールに。地上約7㍍をゆっくり走る。眺望いいじゃん。子供も大喜び。この路線は早い話、陸の孤島の南多摩とJR中央線を直結させましょ三多摩縦断線ってこと。もう少し早くできれば通学に苦労しなかったのに…。
約10分で、立川南駅。ここもダイナミックに変わっていた。歩道橋ばかりで昔(昭和のころだけど)の街の様子は、なし。米軍基地があった頃は怖くて歩きたくなかったけど(古いぞ)。

★ でも、新宿から数十分で、こんなに楽しめるんだから、多摩にはいいね気分は小旅行。

【三多摩の紅葉/11月初旬=★☆☆☆☆】
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by suginami458 | 2005-11-03 18:31 | 小説・エンターテインメント

伊坂幸太郎『魔王』痛快! 編。


ノンストップ! 待ってた! 最新刊『魔王』(講談社)は従来の作風をパワーアップ、積極的に国家・政治にコミットしている。

★ これでもかとばかりに憲法改正・自衛隊問題・ファシズムなど硬派な題材を取り入れ…どうした? 何があった? 伊坂幸太郎34歳,法学部卒。折しも自民党が新憲法草案を発表し、タイムリーな作品(かな)。

【伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)】1971年千葉県生まれ、東北大学法学部卒。2000年、『オーデュポンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞でデビュー。03年『重力ピエロ』、04年上期『チルドレン』、下期『グラスホッパー』が連続直木賞にノミネートされる。04年には『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、短編『死神の精度』で日本推理作家協会短編部門賞。

★ 帯のコピーは「ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する、圧倒的エンターテインメント!」。でも、これだけじゃあない。従来の作品には確かに社会風刺もあったが、それほど気にはならなかった。だけど、今作は……

 (本文から)「日本国民は」俺は、ある本に書かれていた文章を思い出した。ファシズムについて述べられた本で、「日本の国民は、規律をまもる教育を充分に受けていたため、大規模な暴動を起こすことはなかった」とあった。まさにそれが頭をよぎる。はじめて読んだ時、俺は、「やはり俺たちは飼い慣らされているのだな」と納得したものだ(後略)。
 
 (本文から)……これがファシズムの恐怖ではないのか。ファシズムとは何か、という問い掛けに明確な答えはない。(中略)強いて言えば、ファシズムとは、「統一していること」という意味、それだ(後略)。

 (本文から)……「反動だよ」マスターは言う。「俺たちはあまりに、自由だとか民主的だとかそういうものを大事にしすぎたんじゃないのか? 統率は必要なのに」(後略)

★ ……と、真っ向から民主主義とは? 国家とは? 憲法九条改正などと格闘。ストーリーの基調低音になっている。文体もいつになく力強いぞ。これまでの村上春樹路線はやめたのか? 
ムードとイメージに流されやすく、飽きやすい大衆(国民性)に警鐘を鳴らし、宮沢賢治の詩を横糸に織り込みながら、「覚悟しているのか。考えろ考えろ考えろ考えろ、そして選択しろ」というのが読者へのメッセージか。

★ この一冊は(人は死ぬけど)ミステリーにあらず。巻末の参考・引用文献を先に見ると、ある程度の方向が分かる。

【オモシロ度=★★★★★】 伊坂にいささかハマったのだ。
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by suginami458 | 2005-10-30 17:52 | 小説・エンターテインメント

■ 紅葉はどうなっているのだ?/鎌倉編。

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秋だ! そういえば紅葉はどうなっているのだ――と、知人と鎌倉に行った。

★ まずは鶴ヶ丘八幡宮。早い話は、まだでした=写真。マゼンタ7%+BL20%+Y10%+C70%といったところ。まあ、古都だから早く色づくなんて古都もないのだから当然。
でも、ここは木々のレイアウトがいいので、本番は期待できそう。赤、オレンジ、茶、黒緑…この配置の妙が大事なのだ。自然のアートディレクターは本当に凄い。上の山のほうは少しだけマゼンタが濃くなっていたような。

★ 疲れて珈琲を飲むには、小町通りを少し行った路地裏(というか住宅街の中)にある「ミルクホール」がいい。ライトなジャズが流れ、古道具屋のなかといった感じ。センスの良さを感じられる店。コーヒー600円。

★ で、次は北鎌倉の円覚寺。ここも全然でした。本数が少なく、桜の季節も見栄えがしなかったので、秋もあまり期待できそうもないなあ。でも、ここは駅の前という絶好のアクセスの良さを誇る寺。上から見下ろした、山門に切り取られた風景は小津映画のシーンみたい。

★ 便利になったなあ、鎌倉。湘南新宿ライン乗り換えなし一本59分なのだ。でも日曜夜の上りのグリーン車両はオバサンたち占拠状態で‥‥トホホ。

【10月下旬の紅葉=★☆☆☆☆】
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by suginami458 | 2005-10-25 18:31 | 小説・エンターテインメント

五木寛之氏の「論楽会」に行ってきた、編。

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五木寛之氏の百寺巡礼完結記念「五木寛之論楽会/東京篇」に行ってきた(主催=講談社)=写真はパンフ。五木氏は少し風邪気味も、1600人の観客を前に「今は皆が病んでいる時代ですから、風邪ぐらい……」とか。

★ 全席指定という、従来にない形をとった会場は満員御礼。寺参り達成記念会とはいえ、若い高校生ぐらいの女のコ&男のコから高齢者まで、多彩な参加者。当然、ご婦人が圧倒的だけど(水上勉を継ぐ哀愁のイケメン作家健在なのだ)。

★ プログラムは3部で、講演、トークあり、津軽三味線ライブあり、コンサートありの、音楽好きな五木氏らしい構成。会場には、電通関西やら、大日本印刷やらからの花輪がズラリ。さすが、文壇長老。

★ 五木氏の講演の一部。
ここ数年、自殺者が年間3万2000人を超えています。死者7000人で交通戦争というのなら、この自殺者数をなんと考えればいいのか……いま、日本は国全体が病んでいるのです。
3万2000人は「成功」した人で氷山の一角、実際はこの10倍以上が自殺を考えているわけです。こんな社会を私たちはどうすればいいのか。

朝、新聞を読むと「親が子を殺した」「中学生が親を殺した」という痛ましい記事にも、私たちはマヒし始めている気がします。明治以来、私たちは情を捨てたドライなプラスチックのような社会を見事につくりあげてしまいました。なんともいえない悲しみを覚えます。
いまこそ、私たちは親鸞聖人の言う「悲泣せよ」を考えなければいけないと思います。

★ そうなのだ、ウエットになるのだ。

……というわけで、10月末には五木さん、またまた新刊個人版新書が講談社から刊行だって。ちょっと多すぎないかなあ。
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by suginami458 | 2005-10-20 23:07 | 小説・エンターテインメント

元・武鬪派組長「山本集」展に行ってきた、編

君は燃える赤富士を見たか! 山本集個展「オレの絵を見てくれ2005」(竹橋パレスサイドビル1F画廊)に行った。

【山本集(やまもと・あつむ)】昭和15年、奈良県生まれ。浪商球児から奈良智辨学園の野球部初代監督。その後、様々な職業を経て任侠道へ。諏訪一家山本組組長となり、武鬪派として名を挙げた。
平成元年、組を解散して「日本一の画家」を目指す。

★ 以前、日刊スポーツでエッセイの連載をしていたときから気になっていた作家。ヤクザ→作家(山本氏は画家だけど)転身といえば、作家・安部譲二さんがいるけど、凄みは山本氏の方が上かも。 

★ 個展会場にいらっしゃったので、お声をかけようとしたけど、ダブルの黒スーツ、大きな声、黒づくめのお取り巻きの方々…ちょっと引いてしまい、かけられませんでした(なにげなく耳にした会話も「おう、例の五条のシマのスナックでな…ガハハ」なんて仰っていて…)。

★ で、絵は…といえば、その人生のごとくダイナミックな画が中心。
3畳ぐらいからA3ぐらいの大きさの絵まで多彩。青空をバックにした「赤富士」シリーズも圧巻だけど、僕は森の径に陽が差し込む絵が、なんともいえない優しさを感じて見入ってしまった。光と影のバランスがいいなあ。買いたいけど、数百万円がザラなので、持ち合わせがなく(本当か)またの機会にしました。

★ 豪快さと繊細さ。清と濁。元・武鬪派親分は心優しき叙情派なのだ(きっと)。
HP=http://www.interq.or.jp/japan/atsumu/
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by suginami458 | 2005-10-19 16:06 | 小説・エンターテインメント

この文庫!/五木寛之『僕はこうして作家になった』編。


幻冬舎が創立11周年記念事業として、いわゆる文庫内文庫『幻冬舎にんげん文庫』を刊行した。
早い話、五木寛之氏の専用文庫。新刊6冊一挙刊行。

★ 普通、文庫化するには2年ぐらいが必要だけど、そこは角川流の幻冬舎、流儀なんて関係なく、他社の『気の発見』(平凡社)『みみずくの夜メール』(朝日新聞社)を素早く収録(もちろん、手打ちは済んでいるんだろうけど)。

★ で、『僕はこうして作家になった/デビューのころ』。
かなり前に集英社から出された(単行本時のタイトルは『デビューのころ』)が同社も文庫にせず、絶版寸前だったもの。五木氏が文壇デビューするまでの青春時代、様々な職業遍歴を書いたもので、「告白的自伝」とカバーにあるけど、本当か。

★ 自伝とあるけど、本当のことを書いたら大変なことになるのは、だれでも分かる。ま、適当に当たり障りがない程度にして、青春作家を演出しよう…がありあり。内容もアレは書いてないし、コレも書いていない(でも、なぜ集英社が文庫にしなかったんだろう? できない何か事情があったのか、改変期間が必要だったのか)。

★ でも、改めて読むと、名も無き一人の青年が、目に見えない大きな力によって上昇していく過程が読み取れる。ここが五木さんの言う「他力/サムシング・グレート」でしょう。
新刊6冊とも全部ワンコイン500円(税込み)は「若い人に手軽に読んでもらいたい。僕も学生時代に安い文庫にはお世話になったからね」と言う五木氏らしい演出。

【オモシロ度=★★★☆☆】
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by suginami458 | 2005-10-13 00:02 | 小説・エンターテインメント