【流されゆく日日05】excite

ブログトップ

<   2005年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

事件の現場に行く①、の巻。

尼崎のJR電車脱線事故のニュースを見ていたら、阪神大震災のことを思い出した。


あれは10年前の震災2ヵ月後。「事件の現場に行く」なんて不謹慎かもしれないけど、神戸三宮に行こうと思い立ち、京都から(あの、事故を起こしたアーバンライナーに乗って)神戸に向かった。

大阪・梅田を過ぎるころから、屋根に青いビニールシートを覆っている住宅が目に付くようになった。ちょうど、桜の季節。住宅街の小さな公園では急造の小さな小屋がたくさん建っていた。
家が倒壊した家族が避難していると思うと、桜のきれいさがつらく悲しい。

そして、電車は途中で止まった。もう、先には線路がなくなっていたからだ。岡本、御影の駅だったかな、阪急、神戸市の振り替えバスに乗り換えた。
砂っぽい、住宅街の中をバスは進む。
いきなり目に飛び込んできたのは「私たちの住宅をのぞかないでください。私たちの家は見せ物ではありません」の大きな横幕。倒壊した家の倒れかけた壁にかかっていた。
絶句した。

横を見ると、隣の家は何ごともなかったように、夕食の準備をしているような‥‥。苦しんでいる家族もあれば、隣は「普通の生活」(もちろん、水・ガスはないけど)をしている家族もいるギャップを思うと、現実のむごさに言葉が出なかった。
今でも、あの横幕は忘れられない。

そして、神戸三宮へ着いた。
ニュース映像で何回も見ていたはずだけど、街が傾いていた。
ビルは傾き、道路はうねり、高速道路は切れていた。そして、街全体が砂だらけだった。
東京の新聞では「三宮炎上」なんて見出しをつけていたけど、デパート「そごう」はねじれ、神戸市役所は3、4階が潰れていた。隣接公園では、あの青いビニールシートの家がたくさんあった。

苦しむ人々がいれば、何ごともなかったように普通の生活をする人もいる‥‥現実のむごさと残酷さ。そして、人間の生死の差は‥‥なんて考えながら、再び振り替えバスに乗り、夜の被災住宅街を静かに走った。

戻った大阪・梅田の街は、いつもどおりのにぎやかさと喧騒だった。
明と暗。
あの、明るい街がなんとなく重ぐるしく感じた。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-29 21:24

朝日新聞の見出しのチカラ、の巻。

「あ、またやった‥‥」と思った。

4月28日付の朝日新聞(東京本社)社会面。
「青春 プツリ JR脱線/高校生、大学生、19人犠牲/大学生活わずか3週間/遠足の高3、笑顔残し/就職活動中、母にメール」

「青春 プツリ」‥‥細明朝体の、わずか5文字だけど、思わず涙が出そうになるほどだった。早朝の中央線、車内で読んでいた新聞に隣の女性も見入っていたっけ。久々見せた「見出しのチカラ」。

朝日新聞整理部のDNAだ。
見たことも会ったこともない整理部記者だけど、この人が担当した面はなんとなく分かる。たぶん、20代後半、男性、整理部勤務2年ぐらいかな(だけど、この整理マン、あまりレイアウトはうまくないような‥‥横見出しが1本もない)。
朝日新聞整理部のすごいところは、こういう涙頂戴記事に、肩の力を抜いたような、静かで切れ味のある見出しをつけるところ。
他にも、文化面で罫線を1本も使わない、文字数の変化(字取り)とスペースだけで組み立てる特集面レイアウト。週末版の「be」のデザイン‥‥もう、ホントお見事。新聞整理記者がデザイナーを兼ねているんだから、スゴイとしか言いようがない(でも、最近はデザイン事務所に丸投げしている別刷りも見受けられるけど、大丈夫か朝日)。


以前、大手町出身の先輩整理マンが「朝日新聞は日本になくてはならない新聞なんだ。いい意味でも、悪い意味でも‥‥」と言っていたっけ。たぶん、記事の内容はさておき、この見出し力とレイアウト力がずば抜けている「整理部の伝統」を言っていたのだな。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-29 20:31

28歳、新聞記者になる君へ、の巻。

いろいろ遠回りしたようだけど、いよいよだね。
28歳、君は新聞記者になる。
28歳、僕は新聞編集者だった。君の歳、僕も同じようにターニングポイントにいたことを思い出した。


 「一緒に仕事しよう」。
ある朝、N先輩から電話があった。当時、僕は築地の新聞社で仕事をしていたけど、なんとなくノリが悪く、落ち着かない毎日だった。N先輩は、僕が以前アルバイトをしていた新聞社の人。
「9月入社を目指す。来週、人事部長にあってほしい」。そんな一方的な‥‥だって今は6月ですよ。

それからが大変だった。勤務中、突然ネクタイを締めて社を抜け出して面接に行ったり、打ち合わせに行ったり。
「今から試験受けるのなんてイヤでしょう? 筆記はNさんに免じてパスします」と言ってくれたのは、M人事部長。
「おまけに、あなたは覇気がなさそうに見えるから、重役面接で危ない。だから、変な質問をぶつけるK専務は呼びませんようにしました」って。ありがとうございました、その節は。

そして9月。僕は、N先輩の新聞社で仕事を始めた。毎日が楽しく、新聞のこと、人間関係のこと、本のこと、いろいろなことを教わり、チェーホフの「夜の大学」(朝刊番の僕は夕方出社で午前2時帰り)だった‥‥。



‥‥で、28歳の君に何を言いたいのかといえば、大げさだけど、人生の曲がり角には必ず手を差し伸べてくれる人がいる、ということ。
君と仕事をしたがっている人がいる、ということ。

つらいことがあっても顔にあまり出さない君を見ていたら、なんとなく自分の28歳のころを思い出した。中年の繰り言か。
‥‥でも、それからは年をとるのがものすごく早かったなあ。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-27 20:06

心は京都、の巻。

仕事に、人生に、人間関係に疲れたときはどうするか。わが心のふるさと・京都にトリップします。


「そうだ、京都 行こう。」。いいコピーだな、JR東海&電通。
東京駅の新幹線ホームに立つと、ワクワクすると同時に「大丈夫かな、今回は‥‥」と思う。
そう、指定席の「隣の席」問題。
僕は、普通指定&喫煙だけど、いい「隣人」にあったことがなくて(あちらも同じことを思っている?)。以前、携帯電話が普及し始めたころは、本当にすごかった。仕事で名古屋に行くとき、熱海まで話し通しの人が隣で。ありがたいことに、熱海あたりはトンネルが多く途切れがちで、その人は熱海で降りて助かったけど。
でも、最近はトンネル内でも途切れないように電波を飛ばしているとか‥‥余計な技術の進歩だぜ、NТТドコモ。


じゃ、どうすればいいのか? 
最近はグリーン席にしています。座席も広くて、普通指定に比べると静かで、グリーンの人は「大人」だな。おしぼりもあるし‥‥配ってくれるお姉さんも親切だし。
以前、作家の村松友視さんが「新幹線はひとつの街だ」といっていた。確かに、人はいる、人の往来がある、道はある、店もある、公衆トイレもある。なるほどね。


たかが、新幹線の隣の席じゃないか、ビビってどうする! と思う。
そうだ、たかが2時間じゃないか!


‥‥でも、またグリーンの端っこを取ってしまいました‥‥気が弱いぞ。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-22 19:44

PR誌はどこにある②、の巻。

「PR誌のここが好き/ここがイマイチ」②。
20日を過ぎたので、さあPR誌を集めなくては! 
文春の『本の話』、新潮の『波』はいいとして、さあ新宿紀伊国屋書店に幻冬舎の2誌から貰いにいこうかな。

③位 幻冬舎『ポンツーン』『星星峡』=雑誌媒体を持たない幻冬舎は無料誌にでも小説やエッセイを掲載していかなくては単行本化する作品がなくなるため、出しているのか(たぶん)。
でも、6月に突然文芸月刊誌を創刊。tなると、なんとなく、この2誌は1本化するような気が‥‥。
『ポンツーン』はエンターテインメント、『星星峡』は文芸‥‥と棲み分けがあるような。紙の質も良くて、レイアウトも読みやすい。新堂冬樹、麻生幾の作品はやはり月刊だと面白くないなあ。
だから、単行本化の早いこと。
【新宿紀伊国屋書店でなくなる早さ=それほどでも‥‥余っていることもある】


④位 角川書店『本の旅人』=タイトルがいいなあ。創刊当時は五木寛之先生の雑文もありました。さすが文芸老舗。当然、エンターテインメントに傾斜しているけれど、歴史、国文学ものも多数あって、「角川ブランド」の底力を見せている。宮崎学の作品と、白川通のものは愛読しています。ただ、PR誌の割には厚いか。
【なくなる早さ=紀伊国屋書店ではあまり見かけないから分かりません‥‥】


⑤位 朝日新聞社『一冊の本』=新聞も出す出版社か。大家・原研哉さんのデザイン。おなじみの白い表紙。朝日新聞本体とは連動していないのが、いいのか悪いのか‥‥。読みやすいけれど、あとに残らない。淡白。資料性もなく‥‥。
【なくなる早さ=早。固定客がいるのかな。】


⑥位 岩波書店『図書』=フランス文学だ、中世文学だ、といわれても関心ありません。ただ、椎名誠と佐藤正午の雑文がいい。これも岩波新書用か。いまどき珍しくカラーページがないのがすごい。圧倒的ページ数の巻末の新刊広告の予告が一番面白い‥‥。
【なくなる早さ=この誌はかなり早い。固定客が多数。ただ、神保町の岩波ブックセンターに行けばいくらでもあるし‥‥】。以下、続く、かな。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-21 19:50

PR誌はどこにある、の巻①。

毎月20日になると慌ただしくなる。そう、各出版社のPR誌が出始めるから。さあ、仕事を抜け出して書店に行かねば。

★ PR誌大好き知人と、「新宿紀伊国屋書店に幻冬舎の『ポンツーン』が並んだ」おお、急がねば! 「新宿小田急の三省堂書店に講談社の『本』が出た」あれは、まあ、いいか‥‥と連絡を取り合い、メガ書店に駆け付ける月末。

そんなに大変なら定期購読すればいいじゃん、なんて言われるけれど、無料だから読むっていうこともあるんです。

★ そこで、僕の各出版社別PR誌「ここが好き/ここがイマイチ」。

①位 文藝春秋の『本の話』=作家ごとの特集が読み応えあり。資料にもなる、豊富なデータ。桐野夏生の時は圧巻でした。薄っぺらさと、大きな文字、レイアウトの読みやすさで定期購読しました。新書の記事もあるから硬軟バッチリ。
【新宿紀伊国屋書店を基準にした、なくなる早さ=超早】

②位 新潮社『波』=表紙から楽しめる、さすが文藝老舗。小説に偏っているけど(当たり前か)、次月に出る新刊が楽しみになる。関心のない作家のところはすっ飛ばし。まあ、この誌もないと落ち着かないので定期購読中。なぜか、新書は手薄のような‥‥、残念!
【新宿紀伊国屋書店からなくなる早さ=超早。だけど、他の書店では大量に余っていることも】

以下③、④位は‥‥? 続く。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-20 15:32

五木先生、小説を書いてください。の巻

五木寛之先生が「小説」を書かなくなってだいぶ経ちます。小説『四季』シリーズが最後でしょうか。


★ このところ、雑文というエッセイ、講演ばかりで…でも、ファンの僕はそれらも「作家の表現手段」と考えていますのでいいのですが、なんとなくさびしいのが本音です。最近では「人生問題評論家」なんて肩書きがついて‥‥。
昭和の『青春の門』が再び映像化されて、そりゃ、読み継がれているのはうれしく、時代ごとに読まれ方があることは分かっているけど…‥。

五木先生、「百寺巡礼」も無事達成、さあ、小説をお願いいたします。
先日の新聞では「小説・親鸞を書きたい。執筆させる他力の風が吹いてきたような気がします」と頼もしいコメント。待ってました! 中日新聞などブロック紙連合の新聞小説連載を楽しみしています。

★ 五木先生が若いころ通われた中野のクラシックも閉店しました。あの店は時代がまったく止まったような、その名のとおりクラシックでした。ぼくも若いころ、あの店で『戒厳令の夜』『風の王国』をむさぼり読みました。いつかエッセイに書かれていましたね、『風の王国第二部・星の王国』『青春の門』も未完です。

また、幻冬舎で今秋に本を出される予定とか。今度こそ、小説になることを期待していますけど‥‥。
[PR]
by suginami458 | 2005-04-19 23:03