2005年 05月 15日
遠近両用眼鏡とレイモンド・チャンドラー、の巻。
最近、どうも本の文字が見えにくくなってきたな‥‥と思って眼鏡店に行って視力検査。
「視力が落ちていますね。近くのものが見えにくいでしょう」 「ええ、文庫本が読みにくくって‥‥」 「‥‥はっきり申し上げれば、老眼かと‥‥」。 来たぞ、いよいよ熟年! ナイス・ミドルだ。 というわけで、眼鏡を買った(老眼鏡じゃないけど)。おお、近くの文字が見える! 本が読める。エウレカ‥‥だけど、階段が怖いな。まあ、いいか。 というわけで、書店に行ったら、「祝・おめでとう遠近両用眼鏡記念」か、待っていた本が文庫になっていました。 ★『ハードボイルド』(早川書房) 原 寮。 去年暮れにようやく長編第4作『愚か者死すべし』を刊行、新・沢崎シリーズに突入した原寮のエッセイ、対談、短編集。 とにかく、この人は寡作。1988年のデビュー以来、長編を4作しか出していない。 作品はいずれも日本でも指折りの本格ハードボイルド派。卑しき街を行く孤高の男を描く日本のチャンドラーだ。若き日に映画シナリオを書いていたからか、とにかくテンポがよくセリフ回しがいい。なんか最近偉くなった大沢在昌(日本推理作家協会長就任)より、僕はいいと思うんだけど。 ★『ヤスケンの海』(幻冬舎文庫) 村松友視。 単行本はほとんど売れなかったようだけど、これも再読したかった一冊。 元・中央公論社の編集者だった村松氏と、ヤスケンこと天才編集者・安原顕との出会いから壮絶死までを描いた。 雑誌『海』での学歴詐称騒動から、大江健三郎事件、編集長との対決、吉本ばなな発掘‥‥とにかくすごいスーパーエディターがいたもんだ。それを、盟友・村松が、ある時は怒りをもって、またある時は涙をこらえながら(と思う)書き綴った。単行本で読んだときは興奮したなあ。 まあ、村松氏も、ヤスケンも、とてもじゃないが中央公論社の枠には収まりきれない男たちでございます。 ちなみに、村松氏には、中央公論社との決別を書いた名作『夢の始末書』もある。 では、次は、片山恭一の新刊でも読もうかな(安いから)。
by suginami458
| 2005-05-15 23:35
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